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 はじめての石見銀山 タイトル-龍源寺間歩の内部(1)

坑口を入って、新旧坑道合流地点から僅か先の左壁面に、縦に細い二本の溝が
見え、辿ると天井を這って続く、これが鉱脈をなぞり掘った跡だ。

鉱脈痕

<鉱脈>あるいは<鉱脈を掘る>とは、如何なるものかをイメージできる貴重な
箇所で、同時にその隙間の細さに驚くところだ。そして、これこそが、永久鉱床・
龍源寺間歩の特異性そのもので、キーワードは<厚さ数ミリの鉱脈>だ。
少々暗くて見づらいが、是非確認しておきたい溝だ。

低い天井に用心しながら進むうち、暗さに目が慣れ辺りを見渡すと、明かりに浮か
び上がる壁面の凹凸が見えて、タガネとツチで、岩盤を穿った跡だとわかる。
まさに、産業技術革新以前の、手作業の採掘であったことの証だ。
しかもその広がりを見るとき、計り知れぬエネルギーと、凄まじい執念を、さらには
それを可能にした高い技術水準をも察するところだ。
また、同じように見えるノミ跡も、その流れを見ると、無暗に掘るのではなく、場所
場所の岩石の質や方向性に応じた掘り方であったことが伺える。
穴を見ると、坑夫たちは、無駄なく狭い作業スペースを確保しながら、掘り進んだ
ようだ。その状況が良く解る坑道がある。

坑口から2本目の左右対象に延びる<ひ追い坑>がそれだ。

ひ追い坑(右)

ひ追い坑(左)

<ひ追い坑>とは、当時、鉱脈を<銿(ひ)>と言ったことから、これらの
坑道を「ひ・を追う」の意で、そう呼ばれる。
採掘壁面を注視すると、掘子は鉱脈を入口側に置いて掘った様子が伺える。

一方の天井を深く高く掘り込んでいるのは、鉱脈痕の証しだ。

また、通路の天井にも採掘痕があることから、入口から掘り進むと、ここに大きな
板状の鉱脈が何本か連なって立ち塞がっていたことが推測できる。

進みながら、壁に<灯り>でも置いたのであろうか、小さなテラスがあったりする。

そこでつい、小さな窪みが訳ありげに思えて、壁面に目を凝らすと、小さな穴に
コウモリが潜って休んでいるのに出くわす。

無機質な暗闇にホッと心和むのは、私だけだろうか。

 

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